この記事では、社会保険労務士の仕事のやりがいについてお伝えしたいと思います。
「社労士ってどんな資格?」という記事に書いてあるのは社労士の概要だったので、具体的な業務を挙げながら紹介します。
改まってこういうことを考える機会はあまりないので新鮮な感じがしますが、受験を検討させている方に参考になればと思い、文章にしてみました。
一言で社会保険労務士といっても、労務の専門家として、そして社会保険の専門家として、など、いろいろな側面があると思いますので、それぞれに見ていくことにしましょう。
①労務の専門家としてのやりがい
労働基準法をはじめとした労働法を習得している社会保険労務士には、実務上いろいろなことが期待されます。
メンタル疾患による休職対応
最近であれば、メンタル疾患による休職など慎重な対応が求められる事例も増えてきています。
このようなケースでは、労働基準法や安全衛生法などの法律及び、会社の就業規則などの規定と運用ルールを把握したうえで、現場監督者など社内関係者だけでなく、産業医や弁護士など外部の専門家とも連携・協働できることが求められます。
試験を通じて、必要な前提知識は既に身につけていますので、このような難度の高い案件でも落ちついて対応ができることは社会保険労務士ならではのやりがいを感じられるときと思います。
会社を代表して、他の専門家と対等に話ができる
一人の専門家として、また、会社を代表して、他のジャンルの専門家の方々と対等に話ができることはとても刺激的で楽しく、充実感を感じられる瞬間だと思います。
この他にも、これまでは社内規定についてあまり詳しく説明できなかったけれど、労働法を学んでからは法の解釈に基づいてより詳しい説明ができるようになったので社員に納得してもらえた。
社内の安全衛生環境を整備できて災害を未然に防ぐ
また、安全衛生法をもとに、社内の安全衛生環境を整備できて災害を未然に防ぐことができた、など、勉強したことが役立つシーンはたくさんあると思います。
あまり目立つことのない裏方的な業務も多いですが、きちんと法律を理解して会社を支えているという実感をもって業務を行えることはとても楽しいと思います。
②社会保険の専門家としてのやりがい
社会保険の関係業務と言えば、従業員の方の健康保険や厚生年金の手続きが主な業務になるでしょう。
高額医療費
通常は入退職時や扶養などの地味な手続き関係が多いと思います。その中で、高額医療費が発生してしまうのだがどうすればいい、などのご相談も持ち込まれます。
そういう時に限度額適応認定の制度を紹介したりすると、大変喜んでいただけます。
制度を知っているか知らないかで、大きな違いがあるので、社会保険労務士の勉強をしていてよかった、と思える瞬間です。
育児や介護関連
報酬月額や休業など、複雑な制度を当人が理解していることはまずありませんし、手続きそのものも会社で行うことが多いでしょう。
社内で簡単なパンフレットなどを用意し、タイミングよく説明してあげることができれば、こういう情報が欲しかったんです、と喜んでいただくことができます。
確定拠出年金
また、最近は確定拠出年金を導入する企業も増えてきています。公的年金を含めた年金制度について理解している人は多くありませんので、こういう時こそ社会保険労務士の出番です。
国民年金と厚生年金の関係、その上に、確定拠出年金(DC)や確定給付企業年金(DB)があって・・などとわかりやすく説明してあげることができれば、きっと従業員の皆さんに頼りにされるでしょう。
このように、日常的ではないとはいえ、いざというときにしっかりとサポートできると、とても喜んでいただけますし、社会保険労務士を頑張って取得してよかった、と感じられると思いますよ。
③資格取得者としてのやりがい
上記のいくつかの事例にあるように、試験勉強に裏打ちされた知識を活かして実務をこなしていくうちに、この分野はあの人に任せておけば大丈夫、あの人に聞いてみよう、という信頼を得られるようになってきます。
このことは社会保険労務士の業務そのもののやりがい、というよりは、付随的なものかもしれませんが、実はこれが一番大きいのではと感じています。
任されたり、教える側になる
誰かに任されたり、教える側になったりすると、いい加減なことを伝えるわけにもいかなくなるという心理が働いて、ますます勉強するようになります。
社内の偉い人から直接お問い合わせを頂いて感謝される、というようなこともあるでしょう。
こうなると、試験勉強時代はイヤイヤだった勉強が、いつの間にか楽しくなってきます。不思議なものですよね。
仕事が楽しくなり、チャンスも広がる
結果として、他の仕事に挑戦させてもらえるチャンスが広がることもありますし、仕事もどんどん楽しくなることを実感できるようになるなど、よい循環に入っていきます。
社会保険労務士に限ったことではないかもしれませんが、これこそが最大のやりがい、醍醐味なのではないかなと個人的には感じております。
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