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社労士と中小企業診断士の難易度・比較【どっちが難しい?】

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働きながら資格を取りたい!と思った時、社会保険労務士と中小企業診断士が比較されることも多いですね。

また、中小企業診断士の資格を取得された人が、より専門性を高めるためにダブルライセンスで社会保険労務士の資格取得を目指す人も多いと思います。

この記事では、中小企業診断士と社会保険労務士の違いについて、難易度やダブルラインセスを狙うメリットについて紹介したいと思います。

社労士と中小企業診断士の合格率の違い

一般的にはどちらも合格までに必要な時間は1,000時間以上とされており、弁護士や公認会計士ほどでないものの、難関試験の一つとされています。

では、近年の受験者数、合格率を比較してみましょう。

中小企業診断士の合格率

年度 1次受験者数 1次合格率 2次受験者数 2次合格率
平成24年 14,981 23.5% 4,878 25.0%
平成25年 14,252 21.7% 4,907 18.5%
平成26年 13,805 23.2% 4,885 24.3%
平成27年 13,186 26.0% 4,941 19.1%
平成28年 13,605 17.7% 4,394 19.2%
平成29年 14,343 21.7% 4,279 19.4%
平成30年 13,773 23.5% 4,812 18.8%

これを見る限りでは一見、中小企業診断士試験の合格率は高そうに見えますが、一次試験の合格者しか二次試験を受験することが出来ません。

したがって実際には20%の合格者のうちのさらに20%ということになるため、全体の4%(20%×20%=4%)と考えておいたほうがよさそうです。

 

社会保険労務士の合格率

年度 申込者数 受験者数 合格者数 合格率
平成24年 66,782 51,960 3,650 7.02%
平成25年 63,640 49,292 2,666 5.41%
平成26年 57,199 44,546 4,156 9.33%
平成27年 52,612 40,712 1,051 2.58%
平成28年 51,953 39,972 1,770 4.43%
平成29年 49,902 38,685 2,613 6.75%
平成30年 49,582 38,427 2,413 6.28%

社会保険労務士については幅はあるものの5~7%前後、中小企業診断士については一次試験で約20%、その後の二次試験で20%ということになっています。

このように、難易度で見ますとほぼ同じくらいと考えることが出来そうですが、実は受験の方式が少し異なっています。

  

社労士と中小企業診断士の試験科目の違い

ゼネラリスト資格の中小企業診断士と、人事・労務のスペシャリスト資格の社会保険労務士とでは、試験科目が大きくことなります。

試験科目や試験方式の違いについてみてみましょう。

中小企業診断士の試験科目

中小企業診断士試験は1次試験7科目を2日間に分けて実施され、かつ、科目合格制度があります。また、1次試験合格者が受験する2次試験は4科目あり記述式で出題されます。

中小企業診断士の1次試験(マークシート式)

科目 試験時間 配点
企業経営理論 60分 100点
財務・会計 60分 100点
運営管理 90分 100点
経済学・経済政策 90分 100点
経営情報システム 60分 100点
経営法務 60分 100点
中小企業経営・政策 90分 100点

中小企業診断士の2次試験(記述式)

科目 試験時間 配点
事例Ⅰ(組織・人事) 80分 100点
事例Ⅱ(マーケティング・流通) 80分 100点
事例Ⅲ(生産・技術) 80分 100点
事例Ⅳ(財務・会計) 80分 100点

受験した科目で60点を超えると科目合格となり3年間有効となりますし、1次試験に合格すると、2次試験を2年間受験する権利を得ることができます。

つまり、中小企業診断士の試験は2年~3年かけて計画的に合格を目指すことができました。

 

社会保険労務士の試験科目

一方、社会保険労務士試験は全10科目を1日で受験し、科目合格制度はありません。

午前中は選択式、午後は択一式と問題形式が異なりますが、全科目を1日でこなし、しかも各科目に足切りラインがありますので、取りこぼしのないように配慮しながら、合計点が合格ラインを超えるようにしなければいけません。

社労士(社会保険労務士)の試験科目

試験科目 択一式 計7科目(配点) 選択式 計8科目(配点)
労働基準法及び労働安全衛生法 10問(10点) 1問(5点)
労働者災害補償保険法 10問(10点) 1問(5点)
雇用保険法 10問(10点) 1問(5点)
労務管理その他の労働に関する一般常識 10問(10点) 1問(5点)
社会保険に関する一般常識 同上 1問(5点)
健康保険法 10問(10点) 1問(5点)
厚生年金保険法 10問(10点) 1問(5点)
国民年金法 10問(10点) 1問(5点)

試験科目の違い・まとめ

経営コンサルタント資格の中小企業診断士は経営全般の知識を広く・浅く学びます。一方で、人事総務分野のスペシャリスト資格の社会保険労務士は、労働と保険に関連する法律を深く学びます。

また、中小企業診断士試験は知識を活かしてどう解くかという問題が多く出題されますが、社会保険労務士試験は暗記モノがとにかく多い傾向にあります。

このことから、数値的な難易度自体はそれほど変わらないものの、試験方法やその内容が異なります。

受験者の得意不得意、性格や試験勉強への取り組み方により、合格への可能性が変わってくる、という見方もできるかもしれません。

 

試験対策での大きな違い

合格率や試験科目の違いを踏まえ、勉強内容がどのように違うのか、について紹介します。

中小企業診断士の試験対策

中小企業診断士試験の場合は、経営法務、企業経営理論、運営管理、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策、などの科目は暗記の傾向が強いと言えるでしょう。

但し、社会人として業務をされている方であれば、なんとなく耳にしたり、実務上関りがあるという内容も多く、あまり抵抗感なく勉強を進めることが出来るのではないかと思います。

また、経営学・経済政策、財務・会計は暗記科目ではないため、考え方を身につけて、計算などをしながら答えを導き出せるようにしておく必要があります。

社会保険労務士の試験対策

一方、社会保険労務士試験の場合は、ほぼどの科目も暗記が中心となります。

労働基準法については法律の解釈を理解するということが重要になりますが、その他の9科目に至っては、全てそれぞれの給付の名称、内容、給付期間や金額、手続き方法(いつまでにどんな書類で請求する、など)をひたすら暗記する必要があります。

また、挑戦が複数年にまたがる場合は、法改正が入る場合があり、給付内容が追加または廃止されたり、日数など暗記すべき数字が変更になってしまったりするので、覚えなおす、という作業も必要になってきます。

試験対策の違い・まとめ

中小企業診断士の勉強をしてきた方が社会保険労務士試験に挑戦する場合は、ひたすら暗記が多くて大変だ、と感じられるのではないかと思います。

また、社会保険労務士試験の内容には実務的な内容が多く含まれますが、実務で関わっている人は限定される(総務や人事の方と思われます)こともあり、多くの方にとってはハードルが高い印象になるかもしれません。

 

学習方法の違い

さて、お伝えしてきたような試験の特色から、学習の方法も少し変わってきます。

中小企業診断士の学習方法

中小企業診断士試験は、暗記するだけでなく解法を覚える科目があります。

たとえば、経済学や財務会計などの科目については暗記よりも解法を覚えるという勉強方法になりますので、同じ問題集をひたすら回すというよりは、様々なパターンの問題に挑戦しながらいろいろな解法パターンも身につけていく、ということになりそうです。

また、中小企業診断士の2次試験では、与えられた事例をもとにその企業のおかれている状況を読み解き、さながらあなたが中小企業診断士となって、コンサルティングを行うという記述式の問題です。

2次試験では、1次試験での知識力を使いつつ、さらに、与えられた文章を読み解く読解力、企業のおかれている状況を想像する想像力、などが求められます。

社会保険労務士の学習方法

一方、社会保険労務士試験については、暗記が中心となります。

暗記すべき量は中小企業診断士試験とは比べ物にならないので、語呂合わせなどを駆使しながら、ひたすら覚えるということになるでしょう。

暗記しようと頭に詰め込んでも翌日には半分以上忘れている、という忘却曲線との戦いになるかもしれません。

ただし、忘却曲線は、きちんと何度も復習をすれば記憶として定着する、ということも教えてくれています。

問題集は1回だけでなく2回転、2回転よりも3回転と同じ問題を数多くこなすうちに、覚えている内容も増え、すぐに思い出せるようになります。

4回転を超えるころには問題集に味が出てきて愛着と自信がわいてくるでしょう。

また、どの問題をみてもさっと答えられるようになるので、勉強が気持ちよく楽しくなってくるはずです。

ここまでの領域にたどり着くにはかなりの努力と忍耐が必要ですが、ぜひ体験していただきたいと思います。

もちろん、暗記が得意、という方はこのような苦労は不要かもしれませんね。

 
 

社労士と中小企業診断士のダブルライセンスの相乗効果

どちらも難関の試験ではありますが、当然に中小企業診断士と社会保険労務士の資格を取得できるのであれば、相当なメリットがあります。

ダブルライセンスの強み

中小企業診断士試験は、その試験範囲の広さから、様々なシーンで活用が期待できるものではありますが、反面、浅く広くのイメージをぬぐいさることは難しいでしょう。

この点、中小企業診断士に社会保険労務士を加えてWライセンスとすることは、ゼネラリストとしての強みに、さらに専門性をプラスすることができるということになります。

そうすると、人事、総務、法務、など人材管理系の分野ではほぼ隙はありません。

社会保険労務士として人材管理の仕事を請け負っている中で経営コンサルティングまで求められますし、逆に営業戦略支援の仕事から人事・労務管理の業務まで依頼されます。

経営者はスペシャルな人間を求める

人事総務の件はA先生、営業戦略はB先生...など専門家に頼るよりも、1人のスペシャルな人間を求める傾向があります。

分野ごとにそれぞれの専門家に相談するよりも、手軽により深く、広い相談ができるからです。

もちろんそうした人材は貴重なので競合が少なくなります。つまり、報酬単価が高くなる上、解約されるリスクも大幅に低減することができます。

年収1000万円は軽く超え、年収2000万円、3000万円と現実的に狙えるようになります。

中小企業診断士や社会保険労務士は難しい試験ではありますが、ダブルライセンス保持者となれば世界が広がります。ぜひ頑張ってください!

 

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