労働安全衛生法は、難問・奇問揃いで受験生泣かせの科目ですね。学習範囲が広い割に点数に結びつきにくい勉強効率の悪い科目なので、どれだけ勉強時間を使うのかは考えなければいけません。
この記事では、労働安全衛生法の勉強方法について経験談を交えて紹介したいと思います。
労働安全衛生法の概要
労働安全衛生法とは、元々は労働基準法の一部だった法律を分離して単独の法律にしたものです。そのため、社労士試験においても労働基準法と合わせて出題されます。
社労士試験における労働安全衛生法の科目は、かなり範囲が広くなっています。そのため、ある程度、的を絞った学習方法を選択する必要があります。
労働安全衛生法の出題傾向と勉強方法
試験科目 | 択一式 計7科目(配点) | 選択式 計8科目(配点) |
---|---|---|
労働基準法及び労働安全衛生法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
労働者災害補償保険法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
雇用保険法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
労務管理その他の労働に関する一般常識 | 10問(10点) | 1問(5点) |
社会保険に関する一般常識 | 同上 | 1問(5点) |
健康保険法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
厚生年金保険法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
国民年金法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
出題傾向
労働安全衛生法は、範囲がとにかく膨大です。その割に、実は出題数はかなり少なくなっています。
択一の場合は労働基準法と合わせて10問出題されますが、そのうち労働安全衛生法が出題されるのはたったの3問です。
選択式については5問中2問となっています。つまり、労働安全衛生法は学習範囲が広い割に点数に結びつきにくい、非常に効率の悪い科目なのです。
勉強の仕方
では、そんな労働安全衛生法の学習方針はどのようにしたら良いでしょうか。それは言うまでもなく、重要項目と頻出項目に完全に的を絞ることです。
過去問のAランクBランク問題を完璧に仕上げた上で、ある程度的を絞り、その他は出たら出たで仕方ないとある程度開き直ってしまいましょう。
出題頻度の低い分野に何時間もかけて勉強するよりも、受験生の多くが苦手とする年金法あたりに時間を割く方が賢明です。
暗記が中心となる科目なので、概要だけテキストでざっと学習したら、後回しにして他の科目を先に学習するのも手です。
重要項目・頻出項目
労働安全衛生法の学習で、もっとも重点的に学習するべき箇所は、安全衛生管理体制に関する項目です。
安全管理者や衛生管理者といった名称から、それぞれの設置義務などはしっかり学習しておいてください。かなり細かい数字が出てくるので、過去問や予想問題の反復学習が効果的です。
健康診断や面接指導のあたりも重要です。最近の法改正で、職場のメンタルヘルスを守るためのストレスチェックが義務付けられたのも、労働安全衛生法によるものです。
その他には、総則や危険物など市販のテキストに載っている項目を中心に学んでおけば、労働安全衛生法に関しては十分でしょう。
社労士試験に合格するための得点目安
労働安全衛生法の択一式
労働安全衛生法は、労働基準法とセットで10問出題されます。10問のうち労働安全衛生法が出題される数は、3問となっています。
ですから、目標とする得点は1点!3問中1問取れればOKと思っていただいて結構です。それくらい、労働安全衛生法の問題は難問・奇問揃いです。
テキストだけでも細かい規定や数字だらけで大変なのに、さらに一般の受験生では全く聞いたことがないような薬剤の名称や、何に使われるのかもわからないような機材の名前が出てくるなんてこともざらです。ですから1問で十分。「たかが1問、されど1問」なのです。
ここで1問でも取れれば、労働基準法・労働安全衛生法の択一式は足切りをくらうことはまずなくなるでしょう。
もちろん取れるのなら2問3問と取れる方がいいのは当然ですが。そこを目指す学習をするのは効率が悪いということだけ覚えておいてください。
労働安全衛生法の選択式
労働安全衛生法の場合、洗濯式も労働基準法と一緒に出題されます。そのうち労働安全衛生法の問題数は2問。
選択式は5点中3点取れないと足切りになってしまうので、万が一労働安全衛生法の2問を落とすと労働基準法で3点全て取らなくてはならなくなります。もちろんかなり厳しい状態なのは言うまでもありません。
ですから、選択式は何とか2問中1問は取るように頑張りましょう。おすすめの対策は、重要な条文はしっかり覚えることです。
例えば第一条は目的条文と言われ、労働安全衛生法に限らずどの法律でも最重要です。当然選択式の対策として、しっかり覚えておかなくてはいけません。
平成28年度の本試験では、雇用保険法でこの目的条文が問われていたのが記憶に新しいところです。
労働安全衛生法の目的条文には「職場における労働者の安全と健康の確保」「快適な職場環境の形成促進」のふたつがあげられていますが、どこを穴埋めにされても「選択肢を見るまでもなく答えられる!」と言えるくらいになっていて欲しいところです。
- 労働基準法の勉強方法
- 労働安全衛生法の勉強方法
- 労働者災害補償保険法 の勉強方法
- 雇用保険法 の勉強方法
- 徴収法の勉強方法
- 労務管理その他の労働に関する一般常識 の勉強方法
- 社会保険に関する一般常識 の勉強方法
- 健康保険法 の勉強方法
- 厚生年金保険法 の勉強方法
- 国民年金法 の勉強方法
独学で合格するポイント