労働者災害補償保険法は、保険の仕組みについて理解していかないと問題が解けないので、勉強するのに苦労する受験生も多いかもしれませんね。
この記事では、労働者災害補償保険法の勉強方法について経験談を交えて紹介したいと思います。
労働者災害補償保険法の概要
皆さんが普段職場や通勤途中で事故に遭った場合に労災、労災と言っているのは、この労働者災害補償保険法によるものです。省略して、労災保険法といわれています。
労働者災害補償保険法は、労働者に対し必要な保健給付をすることで、労働者の安全や衛生の確保を図ることを目的とした法律です。
元々は職場における事故のみ労災の対象とされていましたが、後の改正で通勤時の事故・災害も労災法の保険給付で賄うことになりました。
労働者災害補償保険法の出題傾向と勉強方法
試験科目 | 択一式 計7科目(配点) | 選択式 計8科目(配点) |
---|---|---|
労働基準法及び労働安全衛生法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
労働者災害補償保険法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
雇用保険法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
労務管理その他の労働に関する一般常識 | 10問(10点) | 1問(5点) |
社会保険に関する一般常識 | 同上 | 1問(5点) |
健康保険法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
厚生年金保険法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
国民年金法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
出題傾向
労働者災害補償保険法は、労働基準法や労働安全衛生法などとセットで労働法に位置していますが、内容的には保険法です。
したがって、保険の仕組みについて理解していかないと労働者災害補償保険法の学習はなかなか進みにくいと思います。
今まで全く学習したこともない人が、いきなり「保険とはなんぞや」と言われてもチンプンカンプンでしょう。それでいいと思いますし、それが普通です。
ですので、労働者災害補償保険法の序盤の学習方針はまさに「保険とはなんぞや」を理解するところから始まります。
勉強の仕方
過去の出題傾向を見ていると、難問ももちろんありますが、比較的基礎論点を問う問題が多い傾向にあります。
ですから、基本をきっちり学習して取れるところを確実に取るようにしておけば、本番で大幅に崩れることは少ないでしょう。
序盤は保険制度の仕組みを理解するところから始め、中盤は基本をきっちり身につけ、後半は細かい数字も含めて過去問頻出項目や重要項目を頭に入れる学習へと進めていくと勉強効率が良いでしょう。
労働者災害補償保険法の重要項目・頻出項目
労働者災害補償保険法でもっとも重要かつ頻出なのが、各保険給付の種類と支給要件です。保険給付は大きく分けて、
- 業務災害に関する保険給付
- 通勤災害に関する保険給付
- 二次健康診断等給付
の3つとなります。
各給付の支給要件、支給額、支給期間、支給対象、などなどは必ず押さえておくようにしましょう。
時効に関する規定も数字がなかなか細かいので大変ですが、大変だからこそ狙われやすいところだと思って勉強しておいてください。
学習のメインは保険給付ですが、それ以外では特別加入や特別支給金、通則についても頻出です。また、用語も似たような用語が多く、学習が進むにつれて混乱していきます。
この後、雇用保険法や健康保険法、国民年金法、厚生年金法、なども絡むと混乱はさらに増していきます。
そうすると「やっぱり社労士試験、無理...」と不安になりますが、めげずにさらに勉強を進めていけば、だんだん頭の中が整理されてきます。最初は難しいかもしれませんが、頑張ってついていきましょう。
社労士試験に合格するための得点目安
労働者災害補償保険法の択一式
労働者災害補償保険法は、徴収法の労災保険とセットで10問出題されます。得点は労働者災害補償保険法が7点、徴収法からは3点で合わせて10点満点です。
合計で足切りをクリアする4点以上を目指すのは当然ですが、できれば労働者災害補償保険法のみで5点以上、徴収法と合わせて7点以上はクリアしたいところです。
というのも、労働者災害補償保険法は過去問と同じ論点が何度も出題される傾向にあるため、学習が進めば比較的点が取りやすい科目なのです。
特に国民年金法や厚生年金法が苦手な人は、労働者災害補償保険法のあたりで点数を稼いでおかないと、トータルの合格点が合格ラインに届かなくなるかもしれません。
労働者災害補償保険法の選択式
選択式は例年どおりであれば徴収法の出題はないため、労働者災害補償保険法だけで5問出題されます。もちろん3点取ることを目指すのは言うまでもありません。
ただし、労働者災害補償保険法は過去の本試験結果を見ていると、ごくたまに救済が入っている年があります。
救済が入れば2点、場合によっては1点でも足切りをクリアできます。つまり、年によっては非常に難しい問題が出る年もありますよということです。
最初から救済を期待するのではなく、あくまでも3点以上を目指してください。その結果ものすごく難しくて手も足も出なかったなんていう場合は、仕方ありません。
本当にその問題が難しくて多くの受験生が脱落するレベルの難易度であったのなら、救済が入るので問題ありません。
手も足も出なかったけど救済も入らなかったという場合は、実力不足ということですね。
- 労働基準法の勉強方法
- 労働安全衛生法の勉強方法
- 労働者災害補償保険法 の勉強方法
- 雇用保険法 の勉強方法
- 徴収法の勉強方法
- 労務管理その他の労働に関する一般常識 の勉強方法
- 社会保険に関する一般常識 の勉強方法
- 健康保険法 の勉強方法
- 厚生年金保険法 の勉強方法
- 国民年金法 の勉強方法
独学で合格するポイント