近年難易度が急激に上がった社労士試験ですが、それでも独学で合格を目指すという人は少なくありません。
本記事では、社労士試験を独学で合格するために抑えておくべきポイントではなく、注意点を紹介したいと思います。
ここで独学のポイントをしっかり把握しておきましょう!
社労士を目指す目的と将来のビジョンを明確にする
独学で社労士試験合格を目指すにあたっていちばん問題になりやすいのは、モチベーションの低下です。
社労士試験の勉強は長期になりがちです。中には10回以上受けてやっと合格できた人もいるほどです。
10回は大げさかもしれませんが、2~3回あるいは4回、5回と受験することになるのは、特に独学だと全く珍しいことではありません。
それほどの長期間に渡ってモチベーションを保ち続けるのは相当な精神力が必要となってきます。家族のいる人なら、家族の協力も不可欠でしょう。
なのでまずは、自分は何故社労士試験を受験したいと思ったのか、合格したらどうしたいのか、目的と将来のビジョンをできる限り明確にしましょう。
明確であればあるほど、モチベーションが持続し、短期間で合格する傾向があります。
長い受験生生活、時にはモチベーションが落ちて勉強が思うようには捗らなくなることもあると思います。
でも、何故受けようと思ったのか、受かったらどうしたいのか、それをまず最初に明確にしておくことで、初心にたち返って再度スタートすることもできます。
ですが、何のビジョンもなく何となく軽い気持ちで学習を始めても、いざスランプに陥った時にそのままフェイドアウトしかねません。
実際、筆者の知人でも何名かは挫折して社労士になることを諦めてしまいました。
社労士試験の勉強を独学でするなら、ビジョンを明確にして、最後までやりきるという意思を持つようにしてください。
合格率と実際の受験者層から見る難易度の違い
社会保険労務士の難易度で詳しく解説したように、社労士試験が平成27年度、平成28年度と続けて合格率を絞りに絞りこんできたのは、あなたもご存知のことかと思います。(平成29年度は少し改善しましたが)
もっともこれは数値の上での話。
実際のところ、社労士試験を受ける層の中にはほとんど勉強が追いついていない状況で受ける層も少なからず存在しています。
申し込んではみたものの思うように学習が進まなかった、でも来年のためにも受けておこう、そういった人たちも多くいるということです。
酷い場合はほとんど勉強せずに、真新しいテキストのままで受けている人もいると聞いたこともあります。
これまではそういったいわゆる記念受験組が一定数いましたが、難易度が上がったことを受けて記念受験組の数は減っていくのではないかと考えられます。
本気の受験生の割合がこれからどんどん増えるということですね。
社労士試験はご存知のとおり、学歴や指定された国家資格の取得者など、ある一定の学力要件とも言える受験資格が必要です。
つまり、ある程度以上の学力・能力を有する人材が、本気で学習をして集まってくるのですから、今後は難易度だけではなく受験者の質も上がってくるものと思われます。
一発合格を目指しましょう
これまで書いてきたことと少し矛盾するかもしれませんが、今社労士試験合格を目指そうと思ったのなら、一発合格をする気で頑張ってください。
「社労士試験って難しいし、何年かかけて合格できればいいや」と思っていたら、いつまでたっても合格できなくなる可能性の方が大です。
何より時間がかかればかかるほど、初心を忘れてモチベーションも落ちやすくなってきますしね。
だらだら勉強は、合格を目指すなら短期的にも長期的にもいいことなしです。
白書・統計対策はしっかり行うこと
毎年、予備校生・独学者問わず社労士試験受験生泣かせなのが、白書・統計です。これらの分野は範囲が膨大な上にどこから出題されるかも全くわからないからです。
まだその年や前年度から出題されるのであれば何とか対策を取れなくもないのですが、そうとも限らないのが受験生泣かせなところです。
白書・統計については法改正対策も本格的に始まる4月、5月あたりから市販でもどんどん対策の書籍が販売され始めます。
各予備校でも白書・統計対策の短期講座が開始されます。独学の場合も、できればこれらの短期講座は何かしら受けておいた方がいいでしょう。
毎年いちばん足切りで苦しめられるのが、労働・保険の一般常識です。もっとも毎年のように補正が発動しているので、受験生全体に一般常識の得点は低めなのだと思われます。
だからこそ、しっかり対策を練っておくことが大事なのです。